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愛しては、ならない
第16章 貴方との夜

この間も思っていたが、剛は一体いつ料理の腕を磨いているのだろう。
今晩のメニューは和食だったが、私はただただ感心しながら完食してしまった。
「御馳走様でしたっ!」
手を合わせて神妙に言う私に、剛は微笑する。
「どうも、お粗末様でした」
「そんな事ない!
炊き込みご飯も里芋のお汁も、カボチャサラダも全部美味しかった――!
ねえ、剛さん、本当に十五才なのっ?
実は着ぐるみの中身が主婦だった――!て事はないのっ?」
剛は急須で二つの湯飲みに茶を淹れ、澄まして答える。
「当たり前じゃないですか……
まあ、なれる物なら、今すぐに大人になりたいですがね」
私は御茶を受け取り、笑う。
「ええ?何で?
若いって羨ましいのに~私も戻りたいなあ」

