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愛しては、ならない
第16章 貴方との夜
「隠す位なら何故そんなの着てくるんですか」
「う……っ。
そ、そうよね……」
剛はくつくつ笑って私の顔を覗き込むが、ふと真顔になり時計を見た。
「悟志さん、遅いですね……
こんな会話をしているのを見られたら、俺殴られるかも知れませんね」
ギクリとして私は背中が震えた。
「そ、そうかな……
悟志さんは、優しいからそんな事しないよ……」
気付けば既に十一時を回っている。
剛との二人の時間が楽しすぎて時間を忘れてしまっていたが、もうそれも終わりが近付いているのだ。
私は急に寂しくなってしまい、水分が瞼の裏に集まってきているのを自覚して慌てて指で押さえるが、目の前に剛の顔がいつの間にかあり、仰天する。
「ひ……」
叫びそうになるが、掌で口を塞がれた。