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愛しては、ならない
第17章 貴女との夜に
シャツのボタンを全部外し、脱いで放り投げると、菊野は目を丸くしベッドの上を後ずさる。
俺もじりじりと近付き、彼女はもう逃げ場がない。
「……俺に最初会った時に言った事を覚えていますか」
「……っ……」
彼女の身体の横に手を突き、脚の間に腰を割り込ませ、身動き出来ない様にして見詰める。
「俺の事を欲しい、と言った……」
「そ……それは」
彼女が頬を染め俯くが、顎を掴み上を向かせた。
「今、もう一度……
その言葉を言って下さい」
「……」
「菊野さん……」
彼女は、抵抗を忘れた様に潤んだ目でただ俺を見返し、何も言わない。
込み上げる恋情と欲情が限界を迎え溢れ、彼女の首筋に痕を付ける様にキスした。
「やっ……やめてっ……」
「――俺に貴女を下さい……っ」
「だ、ダメっ……
さ、悟志さんが」
その名前に、俺は、動きを止めて彼女を鋭く見る。
「……悟志さんが、何ですか?
帰って来て、こんな処を見られたら困ると言いたいんですか」
「――」
菊野は言葉に詰まっていた。