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愛しては、ならない
第18章 私も、愛しているのに
「――いやああああっ!」
自分の声に驚き目が醒めた私は、起き上がり頭を抱え溜め息を吐いた。
なんて酷い夢だろうか。
いつの間にか額に嫌な汗をかいていて、手の甲で拭う。
ベッドサイドの照明を付け、時間を見ると三時だった。
毛布を剥ぎベッドから降りるが、キャミソールとショートパンツで居る事を思い出し、床に落ちているパーカーを取り袖を通すが、唐突に剛の囁きが蘇り、小さく叫び声を上げる。
『貴女を、僕に下さい……』
『貴女が好きです……』
「う……うそっ」
私は、先程までこの部屋のベッドの上で彼に抱き締められ、口付けられ、肌に触れられ甘く囁かれていた――?
およそ現実とは思えなかった。
今見ていた夢と同じで、眠っている時に見た幻なのではないだろうか?
そうに決まっている――
私は、部屋の照明を点け、鏡の前に立ち絶句した。