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愛しては、ならない
第19章 恋の業火
紅い顔の剛にそう言ってドアを閉め、私は氷枕を引っ張り出して、氷を一杯に詰めて二階へ行き、彼の頭の下へ敷いた。
「パジャマも替えた方がいいかしら……」
私は勝手に彼のクローゼットを開けて、パジャマと下着を出す。
「これに着替えて、脱いだ物はこの中へ入れて頂戴ね」
私はまた階下へ走り、ランドリーボックスと水を持ってきた。
彼は、水を受け取りながら私の腕を掴み、色気を漂わせた瞳で見詰めるが、朦朧としている故にそう見えるのかも知れない。
私は引き摺られまいと奥歯を食い縛り、まっすぐに彼を見返した。
「着替えは自分でしてくださいね。
……何か食べるものを持ってきますから」
彼の手をほどき、心臓が烈しく鳴るのを感じながら部屋を出て階段を降りる。