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愛しては、ならない
第19章 恋の業火



剛を起こさないよう、静かに身体をベッドに寝かせ、涙を指で拭ってやりながら、無垢なその寝顔を見詰めた。


目元も、鼻筋も眉も、くっきりとした輪郭も、髪の色や質まで祐樹に似ている。



剛が、本当に私の息子なら良かったのに、と思った。


祐樹と、双子の兄弟だっなら、私は産まれたその時から彼を包み、守る事が出来たのに。


それに、最初から息子として貴方に逢っていたならば、私は貴方を男として愛する事はなかった――


多分……


そうしたら、こんな切ない想いに私も貴方も、苦しまなくて良かったのに……



彼の髪をそっと指で鋤きながら、どうにもならない物思いに沈む。





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