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愛しては、ならない
第19章 恋の業火
難関の進学校に合格したものの、その先どんな道に進みたい、という話を剛から聞いた事がない。
だが、まだ十五歳なのだし、今から先を見据えている子ばかりではないのだろう。
剛と同じ年頃の自分は特に何の目標も無く――
お嫁さんになって双子を育てる、という夢を漠然と描いていた。
今思えば、本当に自分はのほほんと、幸せに生きてきたのだ、と分かる。
恋に身を焦がす事もなく悟志と結婚をして、祐樹を産んで――
穏やかだった私の毎日が、剛との出会いで変わっていったのだ。
表面は、何も変化は無いのかも知れない。
だが、確実に、私と剛の関係は今までとは違う。
それが、これからの毎日に、この家に何をもたらすのだろうか……