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愛しては、ならない
第20章 恋の業火②
「すごく、美味しいです……
お母様にお料理教わりたいくらいです……」
彼女の花のような笑顔を見て、私は自分の嫉妬がとてつもなく醜く思えてしまった。
私も、大人らしい笑顔を返したつもりだが、わざとらしい態度になっていないだろうか?
彼女は程無くして
「そろそろ帰ります、御馳走様でした」
と、立ち上がる。
「今日は本当にごめんなさいね……
また遊びに来てね?」
清崎がはにかんだ笑みを浮かべ、頷いた時にその頬に笑窪(えくぼ)が出来た。
彼女を玄関先まで送りに出るが、何かを言いたげに振り返った。
「……何かしら?」
訪ねると、彼女は唇を開きかけ、またつぐみ、また開き――という動作を何回か繰り返す。