この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第20章 恋の業火②
だが、彼女の瞳に強い光が宿り、私は気圧されて息を呑む。
「……剛君は……
養子……て、本当なんですか?」
「――!」
「立ち入った事を……
すいません……
いつか、剛君が、何気無く言った事があるんです……」
「そ……そう」
言葉が見つからず狼狽してしまうが、彼女は、私を澄んだ瞳で真っ直ぐに見た。
「剛君が……
お母様を見る目が……
まるで、好きな女の人を見詰めてるみたいに見えて……」
「……っ」
情けない事に、私はやはりポーカーフェイスが出来ない。
十五歳の女の子に誘導尋問され、彼女の思惑通りに心を乱されてしまう。
「……でも、今日お母様とお話してみて分かりました……
こんなに可愛らしくてお若いお母様なら、剛さんが慕って、大切に思うのは当然かも……て」
清崎は完璧な笑顔を向け、私にお辞儀して帰っていった。