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愛しては、ならない
第20章 恋の業火②



だが、彼女の瞳に強い光が宿り、私は気圧されて息を呑む。


「……剛君は……
養子……て、本当なんですか?」


「――!」


「立ち入った事を……
すいません……
いつか、剛君が、何気無く言った事があるんです……」


「そ……そう」


言葉が見つからず狼狽してしまうが、彼女は、私を澄んだ瞳で真っ直ぐに見た。



「剛君が……
お母様を見る目が……
まるで、好きな女の人を見詰めてるみたいに見えて……」



「……っ」


情けない事に、私はやはりポーカーフェイスが出来ない。

十五歳の女の子に誘導尋問され、彼女の思惑通りに心を乱されてしまう。


「……でも、今日お母様とお話してみて分かりました……
こんなに可愛らしくてお若いお母様なら、剛さんが慕って、大切に思うのは当然かも……て」


清崎は完璧な笑顔を向け、私にお辞儀して帰っていった。



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