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愛しては、ならない
第20章 恋の業火②
「つ、剛さん!
剛さんは、高校を出たあとどうするのっ?
大学?専門学校?
それとも思いきって海外留学するっ?
それとも」
矢継ぎ早に質問する私を、彼は呆気に取られて見るが、苦笑いして私の隣に腰掛けた。
また距離が縮まってしまい、緊張とドキドキで声が裏返る。
「そ、それともピアノの腕を生かすなら、何処かの音楽家に弟子入りするとか――
そうだっ!祐ちゃんと一緒にコンクールに挑戦する?
それからそれから」
「菊野さん」
彼は、その眼差しひとつで私を黙らせる。
妖しさと情熱の混じった複雑な色の彼の瞳に、私はいつも魅了されてしまう。
まだ十五歳だというのに、何故、こんな目が出来るのだろう。