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愛しては、ならない
第21章 君の罪は、僕の罪
悟志は私を組み敷いたまま手を離し、頭を振りこめかみを押さえ大きく息を吐き、吸い、また吐いた。
拳を握り、胸の前で組み、瞼を閉じて歯を食い縛り苦悶の表情で呻く様に私に聞く。
「菊野……
剛が……君に何かっ……した……のか」
「ち……ちが……違いますっ」
必死に否定するが、後から後から流れる涙が言葉の嘘を証明していた。
「君が言えないなら、剛に聞く」
悟志はベッドから降りると、ドアノブに手を掛けた。
「や……やめて」
私は、悟志に追い縋り止めた。
「……何も無いなら、彼に聞いても不都合はないだろう?」
悟志は背を向けたままで低く言う。
「だ、ダメっ!
疑ったりしたら……剛さんが傷付いてしまうわ……」
私は必死に哀願した。
いつもなら、私のお願い事を聞いてくれる。
”菊野にそんな顔で言われたら……
聞くしかないなあ”
包み込む様な笑顔で、承諾してくれる。
だが、悟志は燃える様な目を向けこう言った。
「分かった。
彼に聞けないなら、君の身体に聞く」