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愛しては、ならない
第22章 滅ぼせない恋情
悟志は私を家まで送る間に、七年前に亡くなったという奥様の話をした。
今日は七回目の法要をした帰りなのだと言う。
お洒落に見えた黒の服装は喪服だったのかと、私は漸く理解したが、話を聞いて感情移入して泣いてしまった。
「ありゃ~
今度は僕が泣かせちゃったね……
ゴメンゴメン!」
「う……ひっ……く……
で、西本……さんは……今、寂しいですか?」
悟志は、柔らかく笑い、頷いた。
「そ……そうですよね、当たり前ですよね……
ごめんなさい」
「何で謝るのさ~
ハハハ」
「だって……」
そんな話をしていたら、家の近くまで来ていた。
私が、お礼にお茶をと言い、悟志がやんわりと断るが、気が済まない私が彼を無理矢理家に入れた。
丁度両親が居て、突然の来客に目を丸くした。
無理もない。
男友達も連れて来た事のない娘が、いきなり大人の男性を伴って帰ってきたのだから。