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愛しては、ならない
第22章 滅ぼせない恋情
私が事情を説明すると、母は頬を緩め言った。
「娘の窮地を助けてくれてありがとうございます……この子は、男の子に全く免疫がなくって……
本当なら、その位の事を自分で対処出来ればいいんですけどねえ……
うちの人はとても積極的に私を口説いたのに、娘の菊野にはその遺伝子が受け継がれてないみたいでして……ホホホ」
「ママ……
喋りすぎ!」
だが父は難しい顔をして、
「下心ありきで、菊野を助けたんですか?
ほら、きょうび、ロリコンとか色々あるでしょう!」
と悟志に詰め寄った。
「お父さんたら!」
私が怒ると、悟志は首を振り穏やかに答えた。
「菊野さんは、とても素晴らしい娘さんですね……
ご両親が大切にされているのが、良く分かります。
信じて貰えないかも知れませんが、たまたま、お嬢さんが困っている場面に出くわして、放って置けなくて……
ただ、それだけです。
……お嬢様に何もなくて良かったです。
これで僕も安心して帰れます」