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愛しては、ならない
第22章 滅ぼせない恋情
「あ、あの――っ」
叫ぶ様に彼を呼ぶと、運転席の窓を開け、屈託ない笑みを私に向ける。
「もう大丈夫かな?」
「……えっ?」
「今日みたいに、男に無理矢理迫られてもバシッと断れるかい?」
うっと詰まり、下を向いてしまった私に、悟志はとぼけた口調で言う。
「まあ~
僕が虫除けになってあげてもいいけど……
僕もいつも君の側に居れる訳じゃないしねえ~」
「む……虫?」
「まあ、君のパパにとっては僕も虫みたいな物か――!
ハッハッハ」
朗らかに笑い声を上げる悟志に、私は深く頭を下げた。
「パ、パパが失礼な事を言ってごめんなさい!
……そ、それから……
今日はありがとうございました……」