この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第22章 滅ぼせない恋情
そこで父と悟志は意気投合し、仕事以外のプライベートでも付き合う様になったのだ。
だが、父が私にそんな経緯を全く話さないので、彼が家に来た時は仰天した。
まるで十年来の友人同士の様に肩を組み、二人とも酔っぱらっていた。
父が、強引に連れてきたらしい。
丁度その夜は真歩が泊まりに来ていて、私も真歩もお風呂上がりのパジャマ姿で居た。
「何々っ?
おじさん、その人、何処で拾ってきたのっ?」
真歩は、悟志を見て父に尋ねるが、彼は酔いも手伝ってか、歌うようにこう言った。
「僕は~!
菊野ちゃんの~!
運命のお・と・こ!
だよ――――!」
「はあ~?」
「頭に乗るんじゃ~ないっ!」
真歩は目を丸くして、父は悟志の首を絞めた。
「ウワアアア――!
菊野ちゃん、た、す、け、てええ」
「菊野ちゃんとか呼ぶんじゃないっ!
慣れなれしい――!」
母は呆れ果て、私達に
「バカは放って置いて、もう寝ましょうね~」
と言い、私達の背中を押し、じゃれ合う二人を残しリビングのドアを閉めたが、悟志の叫び声が聞こえてきた。
「菊野ちゃん――!
卒業したら、お嫁においで――!」