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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
何故、自分はあんなに取り乱したのだろうか。
剛の指が鍵盤に踊る様や、揺れる髪から覗く瞳を見て、胸がざわめいた。
今までに経験した事のない感覚……
「私……そんなに人見知りだったかな」
ココアを啜り、ボソリと呟くと、園長が
「そう、それですね」
と言って手を叩いた。
「え……」
「剛君も、あなたもまだ全くお互いを知らない同士ですからね。
大人が子供に人見知りする事だってありますよ。
それであんなに慌ててしまったんでしょうねえ……ハハハ」
「そうか……」
考えてみれば、私は一人っ子だし、親類筋にも同じ位の年頃の男の子は少なかったし、滅多に会う事もなかった。
中学から高校は女子だけの学校だったし、男の子とお付き合いした事もないまま年の離れた悟志さんと結婚して……