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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
悟志と菊野と俺の間で起きた事は、菊野は誰にも話して居ない様子だった。
俺と菊野は、あれからまともに話をする時間も無く、今日になってしまった。
菊野は朝から晩まで病院へ行き、家には花野が手伝いに来ていた。
菊野は帰宅すると、いつも青ざめながらも笑顔で
"ただいま……
お家は変わりない?
祐ちゃんも、剛さんも、ご飯は食べた?"
と俺達に声を掛けた。
その度に俺は胸が痛み、彼女をまともに見る事さえ出来ず、相槌を打つので精一杯だった。
彼女を見たら、無茶苦茶に抱き締めてしまいそうだったからだ。