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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
森本は、緩くウエーブのかかった茶色い髪を指で掻き上げ、ニヤニヤして周囲を見渡して小さく言った。
「なかなか、女子のレベル高くね?
まあ、お前には清崎が居るし、俺も同じ歳よりは大人の女が好みだからな~……例えば、菊野さんみたいな」
「――っ」
思わず息を呑んだ時、森本が耳打ちしてきた。
「お前と菊野さんが手を繋いで校内を歩いている姿、かなり目立って早くも女子の間で噂になってるぜ?
あれはお姉さんなのか、恋人なのか、ってな。
後で、清崎にちゃんとフォローしとけよ?
……ふふん。
カッコいい男は辛いよなあ~剛君?」
俺は森本の話は右から左へ流し、菊野の方をチラリと見たが、顔色が余り良くない様に見えて胸がざわめいた。
気のせいなら良いのだが……