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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
小鳥が啄む様に、触れるだけの短いキスを繰り返す内に菊野は、甘い溜め息を漏らした。
その息が頬や耳に掛かり刺激となり、俺に火を点けてしまう。
「う……ん」
菊野は、まだ目を覚まさないまま、顔を横に向けた。
俺はジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めボタンを胸まで外すと、菊野の白い首筋に吸い付いた。
髪の薫りと、彼女の身体の柔らかい感触に甘く蝕まれ、まともな思考や理性がみるみる内に溶けていってしまいそうだ。
「菊野さん……」
思わず、恋しい貴女を呼んでしまう。
今、目を覚ましたら、貴女は俺をはね除けるのだろうか?
俺を今度こそ嫌って、嫌って、憎まれてしまうのだろうか――