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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
"ママ、お姫様みたい"
今朝の祐樹の言葉が不意に頭を掠め、下で無防備に眠る彼女を見る。
背中の真中まである艶やかな黒髪を細かく編み込み、後れ毛のカールが愛らしく、白い首筋と胸元を、パールのネックレスがより美しく見せている。
白のスーツのフレアースカートから覗く脚も、表に咲き乱れる桜の色を思わせる唇も何もかも、彼女の総てが眩しかった。
無造作に髪をゆるく束ね、エプロンを纏い掃除機をかけたり、フライパンでパンケーキを裏返したりする彼女も、起き抜けで眠そうなパジャマの彼女も俺は好きだし、可愛いと思う。
そして、何も身につけない姿が一番綺麗で美しい事も、俺は知っている――