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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
悟志との行為を盗み見たあの夜を思い出し、身体の真芯が熱く、硬く変化していき、思わずゴクリと喉を鳴らす。
恋を自覚してから何度も彼女を抱き締めて口付けその身体にも触れたが、想いも欲望も募るばかりだ。
悟志があんな事になり、菊野は精神的に追い込まれているし、俺との事を考える処ではないのも分かっている。
だが、彼女を諦められない。
自分でも、滅茶苦茶だと思う。
俺が強引に、一方的に突っ走っているだけなのも分かっている。
――だが、未だに彼女の気持ちが掴めない。
俺を撥ね付けられないのは、同情なのか、それとも――
「……菊野さん……
菊野……」
愛しい唇を、指でそっと触れた。
恋人を呼ぶ様に、貴女の名前を囁いてみる。
今なら、誰も見ていない。
誰も聞いていない。
だから、今だけ……
例え嘘でも……
貴女が俺の恋人のつもりで、呼ぶのを許してくれ――