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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
俺は身を屈め、もう一度彼女の唇を確かめようと顔を近付けるが、触れる寸前で彼女の瞼が開き、俺を見ると驚きに目を丸くした。
「な、な、な」
狼狽えて口をパクパクさせる彼女に、俺は思わず吹き出してしまう。
「……気分は、どうですか?」
ベッドで組み敷いておきながら、
"気分は?"
と訊くのもどうかと思うが。
菊野は、掌で頭に触れ、額に触れてから首を振り頬を緩めた。
「うん……
大丈夫……みたい」
「そうですか……」
俺は心から安堵して、思わず溜め息を吐いたが、菊野が突然身体を起こして叫んだ。
「だ、大丈夫じゃないじゃない――!
つ、剛さんっ!
式は?
挨拶は――」