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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
「自然に……自然に」
呪文の様にぶつぶつ呟く私に、園長は提案をした。
「最初はまず、お互い慣れる事ですね。
養子縁組をした後でいさかいがあって離縁なんて事にならない為には……まあ、基本、離縁は認められませんが……
だからこそお互い良く考えなければなりません」
「はい……」
園長は、慎重に事を進めようとしているが、私の胸の中では、剛はもう祐樹のきょうだいになっていた。
祐樹がそのまま成長したかの様な姿に、ピアノを奏でる優美な仕草に私は魅せられてしまっていた。
理屈抜きで、剛が欲しくなった。
あの静かな悲しげな瞳を、心から笑わせたい、そう思ったのだ。