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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
「ああ……
どうでしょうね……
この時間だと……
終わったかな?」
「あ――っ!もうっ!
私のバカバカバカ――!」
菊野は、悔しそうにベッドの柵を拳でポカポカ叩くと、目を潤ませて俺を見上げた。
その眼差しの艶っぽさにドキリとするが、全く彼女は自覚が無い様だ。
「剛さん、ごめんなさい!一生に一度の高校の入学式なのに……
わ、私のせいで――」
唇を戦慄かせ、その瞳からは涙が溢れそうだった。
「……大丈夫ですよ、挨拶なら、森本に後を頼みました。
あいつは良く口が回るし、きっと上手くやったでしょう……
だから、泣かないで下さい……」
怖がらないだろうか?
と思いながら彼女の手を握り、俺の胸の中に引き寄せた。