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愛しては、ならない
第23章 滅ぼせない恋情②
気持ちを告げても、抱き締めても、彼女を困らせて悲しませるだけなのかも知れない。
だが、堰を切った恋情がマグマが噴き出す如く溢れ出すのを止められなかった。
「……ん……っ」
彼女が苦し気に呻き、俺はほんの少し腕の力を弱め、ホッと息を付いたその唇を直ぐ様奪う。
「――!」
俺にしっかり抱かれ、彼女は僅かに腕を動かす位しか抵抗が出来ず、その目からはまた涙が溢れた。
唇を離し、涙を指で拭ってやると、彼女は鮮やかに頬を染め、咎める様な目で俺を睨んだ。
――何故だろう。
そんな表情までが俺をまた、深い恋の地獄へ堕とす。