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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
剛の腕が伸びてきて、手を取ると低い声で
「歩けますか?」
と聞かれ、頷いてベッドから降りるが、急に眩暈を覚えてしまい、剛が身体を支えに来た。
彼の胸に凭れかかる体勢になっているのに気が付き、慌てて離れようとしたが、剛に抱き上げられてしまう。
ときめきと、森本と清崎へのばつの悪さと恥ずかしさで狼狽する私を他所に、剛は二人に向かい冷静な声で言う。
「……また明日、な」
森本は、満面の笑みで手を振る。
「ほーい。
菊野さん、お大事に!」
清崎は、大きな目を潤ませて唇を噛んでいるが、首を傾げて笑顔を作り、剛に手を小さく上げた。