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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
「き、清崎さん、森本く……今日はありがとうね……」
剛に抱えられ、肩先から顔を出して二人を見たが、森本の輝くような笑顔と清崎の影の差す表情が対照的だった。
剛の歩幅はどんどん大きく速さを増して、私は彼にしっかりしがみつかなくてはならなかった。
息遣いが耳を掠めてくすぐったかった。
廊下を通る時にも、校門をくぐる時にも人の視線が痛く感じた。
入学式でことごとく目立つ振る舞いをして、大丈夫だろうか。
他の生徒にからかわれたり、虐められたりしないだろうか………
心配になってきて彼の顔を見上げると、怒りに満ちた色の瞳が、私をまっすぐ捉えていた。