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愛しては、ならない
第24章 滅ぼせない恋情③
何故、そんな目で私を見るの?
そう言おうとすると、剛は通りかかったタクシーに向かって手を挙げて停めた。
ゆっくりと二人の前で停車すると、後部席のドアが開く。
「さあ、乗って」
「え……で、でも」
剛に強引に乗せられた私が呆然としている間に、彼が指示した行き先に向かい車が発進する。
自宅への方向とは明らかに違う場所へ向かっていることに不安になり、横の彼を振り返るが、その横顔の凛とした美しさに見とれてしまい何も言えなくなってしまった。
結ばれた唇は、怒って居るようにも笑って居るようにも見えて、私は混乱する。