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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
パタパタという足音と共に女性職員がやって来た。
「園長先生、お電話が入ってます」
「ああ、そう……
先に行って渡して来てくれるかい?
すぐに行くから」
「はい」
園長は職員室へと引っ込んだ。
応接室のドアをノックする。
返事がないが、そっと中へと入って見たら、奥のソファの端から長い髪が見えた。
「失礼します……」
静かに横へ行き挨拶しようと覗くが、その人は眠っていた。
首を傾げた状態で長い髪が風に僅かに揺れていた。
しかし、口が半開きになっている。
剛は半分呆れて見ていたが、グラリと身体が揺れてテーブルにバンと顔を打ったのを見て、吹き出してしまった。
「い……痛い」
流石に今ので目覚めたその人は、すぐ側に剛が居るのに気付くと目を真ん丸にした。