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愛しては、ならない
第26章 離したくない ②
恋しい人に、好きと告げられ、抱き締められて求められ、身も心も踊らない女が居るのだろうか?
何度も何度も、彼に気持ちをぶつけられ、その度に溺れてしまいそうになる自分を押し殺し、遣り過ごしてきた。
彼の気紛れかもしれない、一時の熱情に過ぎない――このまま、他の女の子に目を向けて、忘れてくれれば……
そう思っていた。
でも、毎日家で彼を見るたびに、どうしようもなく踊ってしまう心が、高鳴る胸が、私に叫ぶのだ。
――忘れる事など出来るわけがない――
――剛の求めるままに、堕ちてしまえ――
悟志に抱かれながら剛の澄んだ瞳を思い、彼にされた口付けを甦らせ身体を熱くして、悟志に
「もっと烈しくして」
とせがみ、突き上げられながら心の中で剛の名前を呼んでいた。