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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
"悟志さん"と言うのは、この人の旦那か……
ふと、自分の両親の事が頭を掠め、目眩を覚えてこめかみを押さえる。
「ど……どうしたの?
私がうるさ過ぎて具合が悪くなっちゃったかしら?」
目の前でオロオロするその人は、多分良い奥さんなんだろうと思った。
自分の両親とはまるで違う種類の人間だ。
そう、俺も所詮、あの両親の遺伝子を受け継いでいる。
この人とは全く違う。
「だ……大丈夫?
私、だれか先生を呼んで……」
「平気ですよ」
「……っ」
目の前で真っ赤になるその人を見て剛は不思議に思うが、無意識に腕を掴んでしまって居たのに気付いた。
「すいません……」
「い、いえ!」
剛が手を離しても、その人は顔を赤くしたままだ。