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愛しては、ならない
第27章 絡み合う、蔦
「つ……」
小さな痛みに眉をしかめる俺に、彼女はハッと我にかえり顔を歪める。
「ごめんなさい……だ……大丈夫?」
殴っておいて、自分が泣きそうになっている彼女に苦笑しながら俺は、ヒリヒリする頬に触れた。
「最近良く叩かれますね……」
「だ……だって……それは剛さんが」
「俺が……何です?」
「い、色々するから……っ」
「俺が、何をしたんでしたっけ?」
「――!!」
わざと惚けて、彼女の髪を指で弄びながら見詰めると、菊野が金魚のように口をパクパクさせ、さらに真っ赤になった。