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愛しては、ならない
第4章 ボーイ・ミーツ・ガール
「何でもありません……わ、私帰ります」
手の甲で涙を拭いながら着替えを掴むと、トレーナーをその場で脱ぎ始めた。
「えっえ――!?」
「!?」
「着替えて帰ります!」
怒ったように言いながら、その人はトレーナーを放った。
「あわわっ……
剛君、こっちを向こうか」
後ろを向かされた剛は、園長と共に暫く衣擦れの音を背中で聞いていた。
やがてドカドカという足音と共に、長い髪が剛の鼻先を掠めて、甘い香りがした。
「西本さん?」
「すいません!着替えにココアありがとうございました!」
物凄い勢いでお辞儀をすると、乱暴にドアを閉めて出ていってしまった。