この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第31章 企み
「……わざと……でしょう?」
「……どういう意味だ……」
「剛君は……優しいもの……
そんな酷い事、本気で言う筈がないよ……」
背中に顔を埋め、くぐもった彼女の呟きに総毛立つ。
それを隠そうと、俺は冷淡な態度を取り続ける。
彼女の手をほどき、背を向けたまま思い付く限りの下衆な言葉を投げつけた。
「俺が優しく見えたとしたら、それは君がおめでたいからさ……
君が可愛いから、遊んでやろうと思った。
あわよくば身体を好きにしてやろうと思っていたさ。
だがそれも面倒になった……
言っただろう?
男を知らないお嬢ちゃんに、一から十までセックスを教えるのはゴメンなのさ」
自分で言っておいて、陳腐で芝居がかった馬鹿馬鹿しい台詞だと笑いそうになった。