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愛しては、ならない
第31章 企み
俺の心を見透かす様に、彼女は言葉を続ける。
「私の事がほんの少しでも好きなら……
突き放したりしないで」
「清崎……でも」
「そんな悲しい顔を私に向けないで……」
清崎はその小さな身体を俺の胸に預け、小さく呟いた。
「私は……剛君をずっと好きだったの。
どうしたら剛君に近付けるか、一生懸命考えて……
剛君に可愛いって思われるように努力したし、剛君と同じ高校に行きたくて、勉強も凄く頑張ったんだから……!
甘いものが好きだって聞いたから、お菓子作りの練習を沢山して……
私、お料理苦手だから、バレンタインのチョコレートも苦労したんだよ?
でも……剛君に好かれたかったから――好きで、好きで仕方が無かったから――!」
「清崎……!」
俺は、思わず渾身の力を込めて彼女を抱き締めた。