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愛しては、ならない
第5章 戸惑いの始まり





真歩は周りをチラリと見て、舌を出す。



「夜の飲み屋じゃないんだからねっ!」



私は頬を膨らまし真歩を睨むが、突然甘い物が欲しくなってメニューを広げた。



真歩も覗き込む。



「なんか、大きなパフェとかケーキとか、食べたい~」



「菊野~
太るぞ?悟志パパに嫌われちゃうじゃな~い!」



「もうっ!またそれを言う~!」



「まあ、パパだからそんな事ないか!
悟志さん、菊野にベタ惚れだもんね~!
20も離れてりゃ、そりゃ可愛くて仕方ないでしょうよ~」




フルーツパフェか、レアチーズのどちらかにしようと私は真剣に悩んでいて、真歩の話を聞いていない。



「こら、菊野――!
旦那の話よりそっちの方が重要か!」



真歩にデコピンされる。


「痛っ!
……何の話よ?」




真歩はメニューをひったくり熱心に見る。

太るぞ、とか言った癖に頼む気満々なようだ。



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