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愛しては、ならない
第32章 企み②
「あいつ、沢山殴ってやった!
でも、もっとやってやれば良かった……
あ――っ頭に来る!」
祐樹が尚も塩を撒きながら憤慨する。
真歩は祐樹の肩を軽く叩いた。
「祐樹がママを守ったんだね。偉いぞ!
そうだよねえ。女を泣かす男は最低!
祐樹はそんな奴になったらダメだからね?……そう、悟志さん……パパみたいに優しい男になるんだぞ!!」
真歩に優しく頭を撫でられながら、その言葉に胸がチクンと痛み、また別の悲しみで涙が溢れる。
「はいはい。もう大丈夫だからね?
――でも菊野、あんたも何て言うか、ポヤ――っとし過ぎだよ?
旦那の留守に、男を家に上げたらダメでしょ!
剛君の友達だからって、立派な大人の男なんだから気をつけないと」
「そうだ!剛にも言った方がいいよ……
あいつ、友達をちゃんと選んだ方がいいんじゃない?」
「う~ん、そうねえ」
真歩と祐樹の会話に、私は血の気が引いてしまい思わず叫んだ。
「――ダメ!……剛さんには……言わないで!!」