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愛しては、ならない
第32章 企み②
二人は擽りあいを止めて私に注目する。
私は尚も罪悪感を覚えながら、続ける。
「警察は最終手段だけど……
彼とは三年間一緒の学校だし、出来れば事を荒立てたく無いの。
剛さんにもショックを受けてほしくないし……
私が、何とかしてみる。
彼も警察沙汰にはなりたくないはずだと思うわ」
全部口からの出任せだった。
二人を安心させるための嘘だ。
私は演技が出来ないけれど、今は何としても上手く誤魔化さなければならない。
剛のために。
いや、自分の為なのかも知れない。
口から驚くほどにスラスラと言葉が出てきて、恋に狂って利己的になった自分を思い知った。