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愛しては、ならない
第33章 壊れるほどに
「むう~わらし~菊野と~へっほんしようかにゃ~」
「ま、真歩っ……くすぐったいってば……」
真歩は胸に顔を埋めたまま、首を振った。
「いい事思いついら~!聞いて~!」
真歩の指がなぜか胸を揉んでいる。
私は悶絶しながら彼女に相槌を打った。
「うんうん。なあに?」
「菊野と~わらしと~悟志しゃんれ~三人でへっほんする~!」
「……え、ええ?」
真歩は、冗談とも本気とも付かない事をサラリと言う事があるが、今のは酔いに任せて出た本音なのだろうか。
なんとあしらって良いか分からずに私は絶句するが、真歩のひたむきな光を帯びた瞳が見ていて、顔を逸らせない。
「――私ね、悟志しゃんが好き」
「――」
「れもね~菊野のことも~らい好きなろよ~!」
「きゃっ」
真歩に覆い被さられ、私はバランスを崩して二人で床に転がった。