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愛しては、ならない
第33章 壊れるほどに
何度見詰められても、慣れない。
その度に身体がどうしようもなく熱くなり、喉の奥が渇く。
もっと、もっと、私を見て――
いっそ貴方の瞳の中に閉じ込められてもいい。
今こうしていても、私の全身が貴方に恋して、求めている。
重ねる掌に想いが伝わったかのように、彼は私の視線を受け止めて頷いた。
「菊野さん……今夜も……貴女を抱きたい」
「――」
「いい……ですか?」
――今まで、止めて、と言っても強引に奪って来たくせに、今夜に限って私に聞くの?
私に、答えろと言うの?――
みるみるうちに頬が染まるのを自覚しながら、私は小さく頷いた。