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愛しては、ならない
第5章 戸惑いの始まり
真歩は真剣な目をして、頬をつまんでくる。
「ここでフェイドアウトしたら、悟志さんに
"そら見たことか"
て言われて、あんたの要望はこれから一切却下されるかも知れないわよ」
その言葉に凍り付く。
「え……そ、そんな風になる?」
「可能性はあるわね……
まあ確かに、人ひとり引き取って育てるっていう重大事だし……
どうしても無理そうなら、意地を張る事もないけどね」
改めて何故自分が剛を引き取りたいと思ったのか考えてみた。
幼い頃の夢?
……彼の境遇に同情した?
……祐樹のためにきょうだいが欲しい?
悟志さんに言った手前、意地になってる……?
「う――ん」
頭を抱え考えてみたが、そのどれにも当てはまらない気がした。