この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しては、ならない
第33章 壊れるほどに
優しいバードキスを何度も唇に落とされて、彼の掌が背中に流れる髪を撫で首筋に触れる。
擽ったさと寒気が襲い震えてしまう私を、彼は強く抱き締めた。
壁の時計をチラリと見て、私の顔を覗きこみ少し困った表情をする。
「……今日は、真歩さんもいるし、断られるかと思いました」
「そうした方が良かったの……?」
彼の顔が見れなくて、胸に顔を埋めて呟く。
大好きで、いとおしくて、切なくて、本当に泣いてしまいそうだった。
生まれて初めて恋した人。
私の、一番大切に思う人。
大好きで、そして時々憎くさえ思う――私をこんな風に変えてしまった貴方を。
もう二度と以前の私には戻れない。
けれど、もう終わらせる。
今夜、もう一晩だけ貴方の恋人として生きて……
それで終わらせる。
苦しくても辛くても、そうするって決めたの……