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愛しては、ならない
第37章 愛憎②
「――――っ」
彼のシャツを掴み唇を必死に結んでいたが、彼の指が首筋を撫で、ビクリと震えて溜め息を漏らした瞬間を逃さずに、彼は唇を抉じ開け舌を割り込ませた。
火傷で痺れる舌先をつつかれ、舐められ、咥内を好きに掻き回される。
私は瞼をきつく閉じていたが、やがて熱い涙が頬に伝った。
何秒そうしていたのだろうか。
いつの間にか唇が離れていて、私の視界に白い天井と、薄く笑う彼の口元と栗色の髪があった。
ソファに倒されている、とようやく理解した私は背筋が冷たくなった。
「火傷の治療だけにしようかなあ、て思ってたけど……
菊野さんを虐めたくなって来ちゃいました」
「や……やめて……っ」
彼は舌でピンクの唇を舐め回し、私のブラウスのボタンに手を掛ける。