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愛しては、ならない
第37章 愛憎②
ひとつ、ふたつとボタンが外され胸元が露になっていく。
抵抗するにも怖さで力が入らず、脚を弱々しく動かす位しか出来ない。
彼は鎖骨の下に唇を押し当てて、ニヤリと笑った。
「痕、綺麗に付きましたよ……
剛に見られたら大変ですね……」
「――!」
思わず睨むと、彼は私の乳房を下着ごと掴み、クスクス声をあげた。
「もう……菊野さんってば……
本当に往生際が悪いなあ。この間話したでしょう?
写真を僕が持っている限り、貴女は俺の言うことを聞かなくちゃ……ね?」
「……いやあ……っ……助けて……助け……剛さ……っ」
思わず口に出してしまったその名前に、改めて涙が生まれる。
剛がここに来るわけがない。
私は彼を守るために、自らの意思でここに来たのではないか。