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愛しては、ならない
第38章 愛憎③
俺が咄嗟に彼女を支えようと腕を差し出すが、祐樹が助け起こす方が早かった。
「ママ!大丈夫?」
「……うん……ちょっと目眩がしただけ……
今日はもう寝るね?
ご飯……出来てるから、二人で食べてね?」
青白い顔で祐樹に弱々しく笑いかけ、俺と目が合うと悲しげに顔を歪めて目を臥せる。
「うん、わかった。
片付けは俺と剛でやっておくから。
ゆっくり寝てね?」
祐樹は菊野の手を取って、寝室へと二人で歩いていく。
俺は呆然と、寝室のドアが閉まる音を聴いて立ち竦んでいた。