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愛しては、ならない
第38章 愛憎③
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食事中には一言も口を利かず目も合わさなかった祐樹がキッチンで食器を拭いている時にぼそり、と話し掛けてきた。
「何で喧嘩したのさ」
「……」
何と答えたら良いか言葉を探し視線を手元の皿に落とす俺に、鋭い声が飛んでくる。
「――適当に何か言おうとすんなよな。
俺だって、その位分かるんだ。小学生だからってなめんなよ」
「――」
祐樹の真剣な表情が、一瞬悟志と重なった。
絶句する俺に彼は畳み掛ける。
「まあ、何があったんだか知らないけどさ、下手に嘘付く位なら何も言うなよ。
そう言うの、スッゲーむかつく」