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愛しては、ならない
第39章 愛憎④


『彰く……子供なのにっ……

お母さんが居なくてもそんな平気な顔……して……るなんてっ……』



彼女はいつの間にか泣いていた。

肩を震わせ身体を折り崩れ落ちる彼女を支え、背中を撫でていると、彼女は大粒の涙を流しながらこう言った。



『彰くん、私を……お母さんて呼んで』



その時正直面食らった彼だったが、苦しそうにしゃくりあげる彼女に消え入りそうな声で訴えられ、その願いを叶えてあげたい、と思ってしまった。



『お母……さん』


『……っ』



彼女は泣きながら笑い、彼を抱き締めた。

そして、そのまま二人は結ばれた。

男と女として。

何故そんな事になったのか、彼にもよく分からなかった。

彼女は小さな子供に絵本を読み聞かせるような調子で、彼に性の手解きをした。

そして、行為の最中に『お母さん』と呼ばせた。


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