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愛しては、ならない
第39章 愛憎④
――お母さん、呼ぶと貴女はとても幸せそうに笑って涙を溢したじゃないか――
お願いだ、他の男じゃなくて僕を見て……
僕にまた、その笑顔を向けて――
『……お母、さん』
彼は、いつの間にか彼女を呼んでいた。
闇の中で夢中で身体をぶつけ合う二人には、その呟きは届いていなかった。
『お母さん……お母さん……お母さん――!!』
呟きはやがて叫びに変わり、何度も繰り返された。
喉が枯れるまで叫び続け、やがて疲れ果ててその場に崩れ、眠ってしまった。