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愛しては、ならない
第6章 遊園地での賭け
「本当に申し訳ありませんでした!」
男性と降りる駅が一緒だったので、ホームでまた頭を下げる。
「いいんですよもう……
でも、気を付けましょうね?」
「は……はいいっ!」
穏やかに言われ、恐縮しながらまた頭を下げた。
「坊や、バイバイ」
「バイバイお兄さん~!」
祐樹は男性が見えなくなるまで手を振った。
思わず、身体中の力が抜けてホームのベンチにへたり込む。
「ああ……良かった……許してくれて……
祐樹、ありがとうね……」
「ママ、たまたまあのおじさんがフツウの人だから良かったけど怖い人だったらどうするの?
気をつけなきゃダメだよ~」
いつの間にか"お兄さん"が"おじさん"になっている。
六歳の祐樹にたしなめられ、私は小さくなった。
「うん……本当に、そうだよね……ママ、おバカさんだね」