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愛しては、ならない
第39章 愛憎④
驚きに目を見開いた彼女に、ナイフの切っ先を向けて彼は皮肉な笑みを向けた。
『今までと同じなんて、なれる訳がないだろ』
『彰く――』
『父さんに抱かれたんだろ?釈放と引き換えに……
いや、その前からそういう事だったんだろう?』
『彰くんっ……それは……』
『――もういい!』
手に握り締めていたナイフの刃を、彼は強く握る。
彼女の悲鳴と共に鮮血が滴り落ち、ベッドのシーツに点を描いていく。
色を失った彼女が『お医者様を――』と言ったような気がするが、彼は刃を握ったままで彼女を追い払うように手を振り回した。
『出ていけ、出ていけ……もう二度と顔を見せるな!』